言語学専攻のための院試攻略法・一次試験編

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こんにちは。りーざです。

院試シリーズ第二弾となる今回は、言語学専攻での修士課程進学を考えている方のために、院試における第一の関門、一次試験対策に必要な勉強や、おすすめの参考書について書いていきたいと思います。

ちなみに第一弾はこちら。院試までのメンタルの保ち方についてです。

こんにちは。りーざです。 院試シリーズ第一弾の今回はずばり、試験当日までのメンタル維持についてです。  大学院入試、通称、院試とは?...
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一次試験とは?

一次試験は、ほぼ全ての大学院修士課程の入試にある選抜方法で、筆記試験とも呼ばれます。高校受験や大学受験と同じように、受験者は大学院の指定する受験会場に集められ、一斉に問題を解きます。面接や書類選考を中心とする二次試験と同程度に重要な評価項目ですので、一次試験でしっかり得点することが合格への近道となります。

細かい部分は大学院や専攻科によりますが、語学科目と専門科目から成ることがほとんどです。語学科目は1言語のみでよい専攻科と、東大の人文社会や言語情報科学のように2言語が必須となる専攻科(社会人受験者は1言語で可)とがあります。ただし言語情報科学の場合、外国語科目として日本古典を選択することができます。出題内容は文章の日本語や選択言語への訳出、要約がメインで、センター試験のような記号選択問題は珍しいです。いずれにせよ、語学科目では英語が必須となっている専攻科が非常に多いので、英語に苦手意識を持っている方は早めに準備して英文に読み慣れておきましょう。

専門科目は、言語学に関する知識を問う出題で、記述解答が中心となっています。出題分野は統語論、認知言語学、計算言語学、第二言語習得、社会言語学、音声学音韻論など多岐にわたり、その専攻科が特に力を入れている分野に関する問題が多めに出ている印象です。1つ目の大問は言語学用語について説明する短答記述(それでも10行書かされます)、2つ目、3つ目の大問は言語学の主要トピックについての説明や、言語学の理論を実証する実験についての考察を書く長文記述問題で、ときに自分の意見も求められる場合もあるので事項の丸暗記だけでは太刀打ちできず、思考力も求められます。どの大問も複数ある選択肢の中から自分の解けそうなもの、得意分野から選択して解くことができます。

最後に、言語学専攻で修士課程学生を募集している有名どころの大学院・専攻科をいくつか挙げておきます。チョイスは私の独断と偏見に基づいておりますことご注意とご容赦ください。

東京大学大学院:人文社会系研究科、総合文化研究科言語情報科学専攻

東京外国語大学大学院:世界言語社会専攻

一橋大学大学院:言語社会研究科

筑波大学大学院:人文社会科学研究科文芸・言語専攻

大阪大学大学院:文学研究科文化動態論専攻言語生態論コース

勉強法・オススメ参考書

一次試験対策にかけた時間

気持ちにゆとりが出るという面でも始めるのが早いに越したことはありませんが、3か月~1年程度あれば十分じゃないかと思います。私は院試1年前に過去問の短答問題の単語を数個拾って軽く調べたりはしましたが、本格的に対策を始めたのは院試3か月前からでした。既に単位を取りきっていたので、その期間中はゼミのみの週1登校としゼミと卒論以外の時間は全て院試勉強に回せるようにしました。

語学編

語学で点数取れないと、他の受験者に差を付けられて合格が一気に遠のいてしまいます。より難しい専門科目での負担も大きくなってしまうので、確実に得点しておきたい科目です。私は英語しか使わなかったので実質英語に関する助言のみになってしまうのですが、よほど英語が苦手でない限り過去問演習を中心に勉強すれば問題ないでしょう。大問1問につき15分程度などあえて短めの制限時間内に解く練習をすれば、本番で時間が足りなくなって全部解ききれなかった、というもったいない事態を防げます。15分というのはあくまで私の場合ですので、各々の試験時間と相談して適宜調整してください。

大学受験までの英語と大きく違うのは、文章に使用されている単語が専門的で難解だということです。具体的に言うと英検1級レベルですので、英検1級用の単語帳を使うのがおすすめです。

わからない単語があるとそれだけで時間のロスになりますし、不安をあおられてメンタル的にも良くありません。私自身本番で知らない単語に続々出くわししかもそれが和訳該当箇所だったので、もっと単語やっときゃよかった……。と後悔しながら解いていました。大学の方針で講義や試験・レポートでも日常的に英語を使うことが多かったため英語は読み慣れているという油断があったのがいけなかったのだと思います。英語に慣れている自信がある方ほどかえって単語はしっかり覚えた方がよいのではないでしょうか。試験だけでなく、入学してから膨大な英語論文を読む際にも単語力は助けになってくれるはずです。

専門科目編

書店に行けば語学コーナーはいつも山のような参考書でにぎわっているのに、言語学というと語学書のように体系的にまとめられた、いわゆる「参考書」のようなものはなかなか見つけられません。あるのはとっつきにくそうな分厚い専門書ばかりで、中を開けば長くて分かりにくい説明が延々と続いている……。院試までにそれほど時間がないのにこんなの読んでいられない!もっと効率的に、大事なところだけさっさと覚えたい!

そんなわがままをかなえてくれるのが、この『明解言語学辞典』です。

言語学の重要用語が簡潔な文章にまとめられた、いわば「言語学の単語帳」です。索引はありませんが、用語は五十音順で並んでいるので検索も簡単。手に持ちやすいコンパクトなサイズなので持ち運びしやすく、移動中にもさっと取り出して勉強できます。

用語説明の最後には参考文献もついていて、さらに詳しく知りたくなったときにも便利です。私は過去問を解いていてわからなかった用語を引いて参照したり、常に持ち歩いては隙間時間ができるたびに眺めたりして、なるべく1冊丸ごと暗記するように心がけました。実現しませんでしたが笑。こうして辞典のようにも、単語帳のようにも使えるのがこの本の魅力です。与えられた言語学用語を10行程度で説明する短答形式の問題の対策には特に最適だと思います。院試まで時間がある方、これを買って3周くらいすれば言語学の基礎知識はだいぶ身に着くのではないでしょうか。

とはいえ初心者向けにかなり的を絞っている、つまり内容も省略されているので、これ1冊だけでは不十分なのも事実です。大学や近所の図書館で、言語学に関係する専門書を借りまくり、読みまくりましょう。蔵書検索システムのキーワード検索機能を使い、自分が疑問に思った事項についての単語を調べるとぴったりな本が見つかりやすいです。このとき英語で書かれた専門書を読むと、英語の勉強にもなり一石二鳥です。

あとは自分の希望する専攻科が出している専門書を読むのも近道のひとつですね。過去問を見て思ったのですが、出題範囲が驚くほど被っています。たとえば東大の言語情報科学専攻を受ける方ならこちらの『言語科学の世界へ・ことばの不思議を体験する45題』とか。

タイトル通り、言語学の様々な事象についての説明に加え45問のドリル形式の問題が付いているので、受験専攻科問わず院試の記述問題に慣れたい方におすすめです。解説は、簡潔でありながら『明解言語学辞典』よりもさらに踏み込んだ形となっています。

大学受験に比べ圧倒的に情報量が少ない院試。この記事が、言語学の修士課程を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

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